2014年3月10日月曜日

JR北海道が運転士の「薬物検査」を拒否 「人権上の問題がある」との主張は妥当か?

JR北海道が運転士の「薬物検査」を拒否 「人権上の問題がある」との主張は妥当か?

弁護士ドットコム 2013年11月10日(日)15時55分配信



運転士が覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕されたJR北海道が、国土交通省から提案された運転士全員の薬物検査を拒否していたことが10月上旬に明らかになった。

報道によると、運転士の薬物事件を受けて、8月に北海道運輸局が同社の安全管理部門の担当者に対して、全運転士約1100人に薬物尿検査をすることを提案した。しかし、担当者は「人権上の問題がある」として応じなかったという。

公共交通機関の運転士への薬物検査は、2011年に大阪市交通局が市営地下鉄・バスの全運転士2837人を対象に実施。2人の地下鉄運転士から陽性反応が出た。バス運転士の覚せい剤使用事件があった西日本鉄道も、今年5月に全運転士への検査を行っている。

ここ最近、車両トラブルやレールの異常放置などの問題が続発しているJR北海道だが、たしかに潔白の運転士にとっては、薬物検査は心外だろう。そもそも企業などが従業員に薬物検査を実施することは人権上問題があるのだろうか。北海道で開業する中村憲昭弁護士に聞いた。

●会社に強制捜査権はない

「本人の同意がない場合、会社が従業員に対し、強制的に薬物検査を行うことは憲法上、人権侵害として許されない可能性が高いです」

中村弁護士はこのように切り出した、薬物検査と憲法との間に、どんな関係があるのだろうか。

「憲法は本来、国と国民とを規律するものですが、会社と従業員との関係にも間接的に憲法の趣旨が及びます。個人のプライバシー権は、そもそも憲法上保障されており、捜査機関でも、自己に不利益な供述を強要することは違憲ですし、現行犯の場合以外で捜索を行う場合には、裁判所の発布する令状が必要です。会社は捜査機関とは異なり、強制捜査権はありませんから、強制的に検査を行うことはできません」

たしかに、いくら「公共」交通機関と言っても、拒否する従業員の血液を強制的に採って調べる権限まではないだろう。

ただ、運転士になるための国家試験「動力車操縦者試験」の内容には身体検査も含まれ、検査項目の一つに《アルコール中毒、麻薬中毒その他動力車の操縦に支障を及ぼす中毒の症状がないこと》がある。

また、軌道法に基づく軌道運転規則(6条の2 2号)では、《車両を操縦する係員は、酒気を帯びた状態または薬物の影響により正常な操縦ができないおそれがある状態で乗務してはならない》とされている。

そうなると、運転士としては「薬物を使用しない義務」があると言えそうだが……。

●従業員の同意があれば検査は可能

「もちろん、従業員の同意があれば検査は可能です。そもそも、おそらく乗務員服務規定等に、薬物使用等の影響で正常な運転ができない『おそれ』がある場合には、運転させないことになっているでしょうし、検査を行わなくても、従業員らの勤務態度や素行に問題があれば、それを理由に懲戒を行うことも可能でしょう。問題なのは、疑いの有無にかかわらず、全員一斉に検査を強要することです。

あるいは、いきなり全員に対して薬物検査を行うのではなく、回答を強制しない形でのアンケートを実施するなどすれば、問題のある従業員は限定できますし、その段階で嫌疑が深まれば、個別に聴取を行えば良いのではないでしょうか」

なるほど、いきなり検査を強要するのではなく、同意に基づく検査やアンケートを経て、問題対象を絞り込んだうえで、個別に対処するという方法もありそうだ。鉄道事故を防ぐため、どんな対策を、どのように打っていくのか。大きく揺れるJR北海道の舵取りに、今後も注目していきたい。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
中村 憲昭(なかむら・のりあき)弁護士
保険会社の代理人として交通事故案件を手掛ける。裁判員裁判をはじめ刑事事件も多数。そのほか、離婚・相続、労働事件、医療関連訴訟なども積極的に扱う。
事務所名:中村憲昭法律事務所
事務所URL:http://www.nakanorilawoffice.com/
弁護士ドットコム トピックス編集部

市立小教諭、大麻所持容疑で逮捕「吸うために」

市立小教諭、大麻所持容疑で逮捕「吸うために」

読売新聞 3月5日(水)12時10分配信





 北海道警札幌白石署は4日、札幌市東区、小樽市立桜小学校教諭吉成厚人容疑者(38)と、同区、無職樋口朝美容疑者(28)を大麻取締法違反(所持)容疑で、3日に現行犯逮捕したと発表した。

 発表によると、2人は3日午後5時頃、札幌市白石区の駐車場に止めた車内で、大麻約3グラムを所持していた疑い。

 通行人が「車の中から女の人の叫び声がした」などと110番。札幌白石署員らが車内で大麻を見つけた。2人は調べに対し、「吸うために持っていた」と供述しているという。桜小によると、吉成容疑者は昨年4月に新任で着任し、5年を担任した。3日は午後に体調不良を理由に帰宅していた。




覚醒剤200キロ密輸のメキシコ人に懲役20年判決 神戸地裁

覚醒剤200キロ密輸のメキシコ人に懲役20年判決 神戸地裁

産経新聞 3月1日(土)15時3分配信




 鉄鉱石を偽装したコンクリートブロックに覚醒剤約200キロを隠し密輸したとして、覚せい剤取締法違反や関税法違反の罪に問われたメキシコ国籍で神戸市灘区の無職、サンチェス・コルデーロ・フロレンティーノ被告(36)の裁判員裁判の判決公判が28日、神戸地裁で開かれた。細井正弘裁判長は「国内に拡散していれば日本社会に著しい害悪を与えていた」などとして求刑通り懲役20年、罰金1千万円を言い渡した。

 細井裁判長は、覚醒剤が隠されていると知らなかったとするサンチェス被告の主張について、「覚醒剤精製用の道具を購入しており、供述は信用できない」と指摘した。

 判決によると、サンチェス被告は昨年5月4日、覚醒剤約200キロ入りの鉄鉱石を偽装したコンクリートブロックを密輸。同6月5日まで、メキシコ人の男=覚せい剤取締法違反の罪で1審有罪、控訴=と共謀し神戸市西区の空き地に、ブロックを所持していた。




<覚醒剤>バスローブに染み込ませ密輸 独国籍の男逮捕

<覚醒剤>バスローブに染み込ませ密輸 独国籍の男逮捕

毎日新聞 3月4日(火)15時5分配信



 ◇「異常な重量感と硬い感触」で発覚

 液体化させた覚醒剤をバスローブなどに染み込ませて密輸しようとしたとして、成田税関支署と成田空港署などは3日、ドイツ国籍の住所不定、無職、ジノ・ミシャエル・アンドレアス・ボルゴルティ容疑者(25)を関税法と覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕し、送検したと発表した。千葉地検は同日、同罪などで起訴した。

 同支署によると、2月10日午後4時50分ごろ、スイスからカタール経由で成田空港に到着した際、覚醒剤約1.9キロ(末端価格約1億3000万円相当)が染み込んだバスローブとジャンパーをスーツケース内に隠していたとしている。容疑を否認している。

 バスローブなどは乾燥していたが、税関職員が「異常な重量感と硬い感触」を不審に思い、鑑定で覚醒剤と判明した。同支署によると、薬物を液体化して布に染み込ませる密輸の手口の摘発は全国4例目。【早川健人】

地下鉄車両に覚醒剤広告 容疑の男追送検「自分の分を買う金稼ごうと」

地下鉄車両に覚醒剤広告 容疑の男追送検「自分の分を買う金稼ごうと」

産経新聞 3月6日(木)10時11分配信




大阪市営地下鉄の車両に覚醒剤などを販売する広告を張り付けたとして、大阪府警薬物対策課と天王寺署は5日、麻薬特例法違反(あおりや唆し)容疑で、住所不定の無職、牧志盛和被告(40)=覚せい剤取締法違反罪で起訴済み=を追送検した。容疑を認め、「自分の覚醒剤を買うための金を稼ごうと思った」と供述している。

 追送検容疑は昨年10月10日~11月16日、覚醒剤や大麻を販売する目的で計7回、市営地下鉄谷町線の車両のドアのガラス部分やポール部分に、覚醒剤を表す「S」や大麻を意味する「M」などの文字とともに携帯電話番号を記した紙を15枚張り付けたとしている。この紙で取引が成立したことはなかったという。

 府警は今年1月8日に覚せい剤取締法違反(所持)容疑で牧志容疑者を逮捕。持っていた携帯電話の番号が、紙の番号と一致した。

石材から粉末を押収、105億円相当の覚せい剤か/神奈川

石材から粉末を押収、105億円相当の覚せい剤か/神奈川

カナロコ by 神奈川新聞 3月9日(日)23時45分配信




石材に隠された覚せい剤がメキシコから密輸された事件で、神奈川、福岡県警などの合同捜査本部は9日までに、相模原市内の倉庫に保管された石材の中から覚せい剤とみられる粉末を約150キロ押収した。合同捜査本部は末端価格で約105億円に上るとみており、今後、神奈川県警科学捜査研究所で粉末を鑑定するとともに、密売組織の全容解明を進める。

 県警薬物銃器対策課によると、石材(約19トン、幅2・4メートル、奥行き2メートル、高さ1・4メートル)を破壊したところ、内部に空洞があり、粉末がポリ袋に小分けされた状態で入っていた。石材は1月上旬、メキシコ発の船便コンテナで福岡県の博多港で陸揚げされ、その後、フェリーやトラックで2月下旬、相模原市中央区の倉庫に移された。同時期に横浜港に陸揚げされたコンテナからも同様に空洞のある石材が見つかっており、関連を調べる。

 合同捜査本部は9日までに、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで、メキシコ人1人、ペルー人2人、日本人2人の計5人の男を逮捕。いずれも容疑を否認しているという。

覚醒剤「日本ほど高く売れる国ない」…米の3倍

覚醒剤「日本ほど高く売れる国ない」…米の3倍

読売新聞 3月7日(金)15時53分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140307-00000580-yom-soci


メキシコからの覚醒剤密輸はここ数年で急増している。

 財務省関税局によると、国内で初めて摘発されたのは2007年。この年と翌08年の年間押収量はともに3キロだったが、12年は69キロ、13年には516キロに増え、全体の年間押収量の6割を占めた。

 元国連薬物犯罪事務所東アジア・太平洋地域センター所長の藤野彰氏によると、メキシコの犯罪組織は麻薬大国のコロンビア、アメリカ間の「運び屋」だったが、徐々に勢力を拡大して製造も手がけるようになった。メキシコの犯罪組織が日本への密輸を増やす背景には、「日本ほど覚醒剤を高く売れる国はない」(警察幹部)という事情がある。日本の覚醒剤の末端価格は現在、1グラム約7万円で、中国の70~80倍、アメリカと比べても3~4倍にあたるという。



「生きていた」麻薬王、軍が射殺 3年前に死亡発表


「生きていた」麻薬王、軍が射殺 3年前に死亡発表



(CNN) メキシコ当局は9日、同国の麻薬王として知られたナサリオ・モレノ容疑者を射殺したと発表した。同容疑者は2010年、軍との銃撃戦で死亡したと発表されたが、その後も生存説が絶えなかった。

メキシコ国家公安機構の責任者によると、軍部隊は9日、モレノ容疑者を追い詰めて拘束しようとしたが、同容疑者が発砲したため射殺した。

モレノ容疑者を巡っては、カルデロン前政権が10年12月、2日間にわたる銃撃戦の末に殺害したと発表。政府がその裏付けを示さなかったことから「まだ生きている」とのうわさが流れた。11年には検察当局が、遺体は収容されず死亡を確認できなかったと認めた。指紋や写真も残されていなかった。

当局によると、9日に射殺された人物は、指紋から同容疑者本人であることが確認された。まもなくDNA鑑定の結果も出るという。

モレノ容疑者は中西部ミチョアカン州で麻薬組織「ラ・ファミリア」を設立し、同州住民の自称「救世主」として経済的、政治的な影響力を行使していた。モレノ容疑者の死亡が伝えられた後、同組織は分裂したが、州内の自警団は最近、生き延びた同容疑者が分派の組織「テンプル騎士団」を指揮していると主張していた。

2014年3月1日土曜日

広島のみで蔓延する違法薬物「メリーちゃん」




広島のみで蔓延する違法薬物「メリーちゃん」
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/238551/



広島県警佐伯署は24日までに、覚醒剤取締法違反(使用)容疑で広島市佐伯区の無職の男(44)を逮捕した。「合法ドラッグを使った」と言って同署に出頭。不可解な行動から、薬物事情に詳しい専門家は「広島にだけ蔓延する『メリーちゃん』を使った」と指摘する。

 佐伯署によると、容疑者は22日午前、一人で署を訪れて「合法ドラッグと思って注射したが、効き目がすごいので覚醒剤かもしれない。調べてほしい」と話した。任意で尿検査に応じた後、帰宅。


 覚醒剤の陽性反応が出たため、同日午後に自宅で逮捕された。

 逮捕容疑は今月中旬から22日ごろ、市内などで覚醒剤を使用した疑い。「合法ドラッグだと思った」と容疑を否認している。右腕には注射の痕があり、入手経路を調べる。

 元麻薬取締官の浦上厚氏は「この情報から考えると、男は『メリーちゃん』を使ったとみて間違いないだろう」と話す。この通称はメリケン粉の「メリー」から取られたもの。MDPVとも呼ばれている脱法ドラッグで、昨年8月に麻薬取締法で指定された、かなり危険な薬物だ。

 浦上氏がすぐに薬物の種類を特定したことには理由がある。

「メリーちゃんは広島県でしか摘発されていない。他の県では1~2件だけ。そして、覚醒剤によく似た作用を持つ。一般的な合法ドラッグで注射して使うものはないが、メリーちゃんだけは覚醒剤と同じく注射でも摂取できる」

 価格は覚醒剤の半額。売人も「シャブより安くてシャブと同じ効能がある」と、うたって売る。覚醒剤と併用して使うこともあるという。それゆえに、今回逮捕された男から覚醒剤の陽性反応が出てもおかしくないわけだ。

 だが、覚醒剤よりも幻覚を見やすいという恐ろしい副作用がある。「米国で話題になった『バスソルト』に含まれるのがMDPVなんですね」(浦上氏)。2012年、米国・フロリダ州マイアミの路上で、バスソルトを使用した男がホームレスを襲って顔面のほとんどをかみちぎった「マイアミゾンビ事件」が有名だ。

 浦上氏は「広島でも、女が『腹の中に何かがある』と狂って自らの腸を切ったりした事例や、脱ぷんしたものを食べたりした事例がある」と説明する。

 使用すると不安感も高まることから、佐伯署幹部は「不安になった結果、おかしくなって『シマウマに追われてる』とか『ヤクザに追われてる』とか言って警察に駆け込むやつは多い。今回の男もそういうことだろう」。

 浦上氏は「推測だが、米軍関係者から広島の年配ヤクザの手に渡って広まったのでは。『メリケン粉』なんて言葉を若者は使わないから。人が人を襲ったり、車の運転中に暴走する、非常に危険な薬物だ。今後、日本全土に広まったら大変なことになる」と警鐘を鳴らした。