2014年7月31日木曜日

クローズアップ2014:脱法ドラッグ汚染拡大 種類は1000超、摘発困難

クローズアップ2014:脱法ドラッグ汚染拡大 種類は1000超、摘発困難

毎日新聞 2014年06月27日 東京朝刊


東京都豊島区のJR池袋駅西口で車が暴走し、8人が死傷した事件は、逮捕された名倉佳司(なぐらけいじ)容疑者(37)の供述などから、脱法ドラッグの一種である脱法ハーブの影響で起きた疑いが強まった。幻覚などを引き起こす脱法ドラッグの規制は進みつつあるが、試薬がないという事情から警察による摘発が難しいという側面も、流行の拡大を抑えきれない理由になっている。依存症患者も急増しているという脱法ドラッグの周辺を探った。【林奈緒美、大平明日香、江刺正嘉、堀智行】
 「やばいことをしてしまった。脱法ハーブのせいだとすぐに分かった。ハーブはインターネットで1〜2年前に初めて知った」
 池袋駅近くの歩道を約40メートルにわたって暴走し、女性1人を死亡させ、7人に重軽傷を負わせたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で26日送検された名倉容疑者は、警視庁の調べにそう供述しているという。事件の約20分前に現場近くのハーブ店で脱法ハーブを購入し、車内で吸った直後に事件を起こしたとみられる。
 名倉容疑者が訪れた店とは別の現場付近のハーブ店に26日、記者が入った。雑居ビル1階に「雑貨屋」の看板を掲げているが、店内には、小分けされたハーブ約20袋が並んでいた。
 「売れ筋は?」。中年の男性店員に尋ねると、「(気分が高揚する)アッパー系が売れている」と言い、店で独自に調合したというサンプル品(1グラム1900円)を勧められた。「違法薬物は扱っていない」と強調しつつ、「吸った後に車を運転するのは困るけど……」と苦笑いした。


警察庁によると、脱法ドラッグの使用後に交通事故を起こして危険運転致傷容疑などで摘発されたのは、2009〜11年までゼロだったが、12年に19人、昨年は40人と急増。今年2月には、福岡市で脱法ハーブを吸った男が乗用車を暴走させ、15人に重軽傷を負わせる事件があった。
 厚生労働省は、脱法ドラッグのうち、覚醒剤や麻薬に似た幻覚作用などをもたらす物質を薬事法上の「指定薬物」に定め、製造や販売などを禁止してきた。しかし、化学構造の一部だけを変えた新種が次々と流通するため、昨年3月、中心構造が同じ物質を一括して規制する「包括規制方式」を導入。現在、指定薬物は1378種類に広がった。4月からは改正薬事法が施行され所持や使用も禁じられた。
 事件を受け、古屋圭司国家公安委員長は26日の記者会見で「事実上、違法な麻薬に等しいのに、『脱法』と言うと誤解を招く」と述べ、呼称変更を検討する意向を示した。
 ただ、脱法ハーブの摘発は、他の薬物とは異なりハードルが高い。警察庁によると、理由のひとつが簡易鑑定ができるキットがないという問題だ。担当者は「覚醒剤や大麻は試薬を尿に入れると色が変わり、分かりやすいが、脱法ドラッグは1000を超える種類があり、対応できる試薬がない」とし、警視庁の捜査幹部は「違法の疑いのあるハーブを所持した人を見つけても現行犯逮捕はほぼ不可能」と語る。改正法の施行以降、警視庁では現場からの本鑑定の依頼が殺到。現在は2000件以上が結果待ちで、特定には2〜3カ月かかるという。
 名倉容疑者の車からは、ハーブを詰めたとみられるたばこの吸い殻2本と、ハーブ店の捜索で押収した商品と同じ種類の植物片が入った小袋1個が見つかった。ただ、このハーブが薬事法の指定薬物を含んでいるかは分からず、警視庁は押収品の鑑定を進める。

 ◇覚醒剤超す幻覚発生率 治療機関少なく依存深刻化

 脱法ドラッグが関係した事件や事故が起きる背景には、薬物依存症治療を担う専門の医療機関が全国に十数カ所しかないという事情も見逃せない。治療機会が少ないため、依存症が深刻化するケースが少なくないとみられる。


埼玉県伊奈町の県立精神医療センター(183床)は依存症病棟(40床)を持つ薬物依存症の専門病院の一つだ。脱法ドラッグ乱用による同病棟への入院患者は2011年度は1人だったが、13年度は36人で、覚醒剤の28人を大きく上回り、初めてトップになった。成瀬暢也(のぶや)副病院長は「規制強化のたびに、成分がさらに強力になった新たな脱法ドラッグが登場し、覚醒剤より数倍も激しい症状が出る薬もある。使っても捕まらないため、覚醒剤から切り替える人が増えており、国内では最も危険な薬物だ」と警告する。
 精神科病床がある全国の医療施設を対象に、薬物依存症の原因物質を調べている国立精神・神経医療研究センター(東京都)によると、最新の12年調査では、前回調査(10年)までほとんど症例がなかった脱法ドラッグが16・3%を占め、覚醒剤の42・0%に次ぐ2位となった。
 乱用3大薬物とされる覚醒剤▽脱法ドラッグ▽向精神薬−−の症例を分析したところ、幻覚・妄想状態が続くケースは脱法ドラッグが45・2%で最も多く、覚醒剤を上回った。薬への渇望を抑制できない「依存症」では58・7%で覚醒剤とほぼ同じ割合だった。脱法ドラッグの乱用が深刻な健康被害につながる危険性が示された。
 また、覚醒剤患者の50・0%が暴力団と交流していたのに対し、脱法ドラッグは7・1%。薬物が身近ではない若い男性が、好奇心から依存症に陥る傾向が明らかになった。
 同センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「脱法ドラッグの規制はやれるところまでやっているが、やめられなくて困っている人が大勢いる。依存症治療の体制を早急に整え、治療の必要性を広く説かなければ、池袋のような悲劇を防ぐことはできない」と指摘する。






<危険ドラッグ>11年以降40人死亡 今年急増24人も

<危険ドラッグ>11年以降40人死亡 今年急増24人も

毎日新聞 7月31日(木)8時0分配信




危険ドラッグを吸引した直後の事件事故が相次いでいる問題で、2011年以降の約3年半に危険ドラッグの吸引などが原因で死亡したとみられる人が少なくとも7都府県の40人に上ることが毎日新聞の調査で分かった。危険ドラッグを巡る死者の実態が明らかになるのは初めて。今年だけで24人が死亡したことも判明し、規制の強化でも乱用に歯止めがかからない現状が改めて浮かんだ。


 調査は、全国の警察本部などを対象に実施。関係当局が統計を取り始めた11年から今年6月末までで、危険ドラッグの使用が原因で死亡した疑いがある人の数▽危険ドラッグの使用が疑われる救急搬送者数--などを尋ねた。

 それによると、死者が確認されたのは、東京▽神奈川▽静岡▽愛知▽大阪▽広島▽山口の7都府県。11年は0人、12年と13年はそれぞれ3県で8人ずつだったが、14年は半年間(大阪のみ7月21日まで)で1都1府4県で24人と一気に急増した。「統計を取っていない」などの理由で16の警察本部が回答しておらず、実際の数字はさらに増えるとみられる。

 国は今年1月、違法と定める「指定薬物」の範囲を拡大。4月には製造や販売などに限らず、所持や使用を禁じた改正薬事法も施行したが、使用の広がりを反映し、死者数が増えているとみられる。

 死者数が最多だった大阪では吸引後の死亡例が相次いだことで府警が今年から調査を始め、7月までに14人の死亡が判明した。4月に大阪市北区のホテルで30代の男性会社員が吐いたものをのどに詰まらせて死亡したケースでは、室内から液体状の危険ドラッグが見つかった。

 次いで多かった神奈川では、12年に6人▽13年5人▽14年2人--の計13人が死亡していた。13年5月に厚木市内の自宅ベッドで死んでいるのが見つかった40代の男性の場合、枕元に吸引パイプと植物片があったほか、室内には他にも危険ドラッグとみられる粉末が見つかり、常習が疑われる状況だったという。

 また、名古屋市では今年6月に吸引直後とみられる20代の女性が死亡していたほか、山口県でも今年に入って30代の男性2人が死亡していた。

 一方、救急搬送者(搬送されずに健康被害を訴えた人も含む)は、全国で少なくとも1415人が確認された。内訳は、11年が115人▽12年599人▽13年490人▽14年211人--だった。やはり約半数の警察本部などが回答していないため、実際はこれを大きく上回るとみられる。

 薬物依存症の専門病院である埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也副病院長によると、危険ドラッグを吸引した結果、筋肉の細胞が壊れる「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」を起こし、腎不全や多臓器不全などで死亡する可能性がある。血圧や心拍数が急上昇するなど心臓への負担も大きく、米国では若者が心筋梗塞(こうそく)を起こした事例も報告されているという。

 国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「死者数を把握したことはなく、非常に多いという印象だ。体の硬直やけいれん発作など危険ドラッグによる症状は今年に入り特にひどい。ドラッグの作り手と乱用者が求めるのは『脱法』であることだけで、その物質で何が起きるか誰にも分からない危険な状況だ」と指摘する。




2014年7月22日火曜日

新呼称は危険ドラッグ=「脱法」の代替―公募に約2万件・警察庁など

新呼称は危険ドラッグ=「脱法」の代替―公募に約2万件・警察庁など

時事通信 7月22日(火)10時6分配信




 警察庁と厚生労働省は22日、脱法ドラッグに代わる新しい呼称を「危険ドラッグ」に決めたと発表した。覚せい剤や大麻と同様の幻覚・興奮作用がある薬物なのに、「脱法」という表現が危険性を誤認させる恐れがあるため、代替案を公募していた。今後は公式文書で危険ドラッグを使う。
 新呼称は、幅広い世代が危険性の高い薬物だと理解できるものという要件で5~18日に募集。約2万件の案が寄せられた。応募数の多い順に「準麻薬」183件、「廃人ドラッグ」140件、「危険薬物」123件、「破滅ドラッグ」110件などがあった。
 危険ドラッグは102件で5番目だったが、語頭に「危険」を冠した案が260件、語尾に「ドラッグ」を付けた案が5896件あり、それぞれの最多だったため、両方を組み合わせた呼称を選んだ。 

2014年7月17日木曜日

中国人男から覚せい剤反応=池袋・妻射殺事件で―警視庁

中国人男から覚せい剤反応=池袋・妻射殺事件で―警視庁

時事通信 7月17日(木)11時16分配信

 東京都豊島区池袋の喫茶店で、中国人の男が妻を拳銃で射殺した事件で、逮捕された曹剣平容疑者(54)の尿から覚せい剤の陽性反応が出たことが17日、警視庁への取材で分かった。同庁組織犯罪対策2課は、覚せい剤使用の疑いでも曹容疑者を調べる。
 曹容疑者宅の家宅捜索で、違法薬物約50グラムが入ったとみられる袋も見つかっており、同庁は鑑定を進めている。
 曹容疑者は動機について「離婚を迫られ、妻を殺して自分も死のうと思った」と供述。使用した拳銃については「池袋のパチンコ店で知らない中国人から買った」と話しているという。
 曹容疑者が中国残留孤児2、3世を中心とした不良グループ「怒羅権(ドラゴン)」関係者であることも判明した。 

脱法ドラッグ乱用、4割超に幻覚・妄想 覚醒剤を上回る

脱法ドラッグ乱用、4割超に幻覚・妄想 覚醒剤を上回る

朝日新聞デジタル 7月16日(水)9時42分配信

 全国の病院で入院・受診した脱法ドラッグの乱用者について、厚生労働省の研究班が調べたところ、幻覚や妄想の症状が覚醒剤を上回る4割超の人で出ていたことがわかった。依存症状も覚醒剤と同程度で見られた。覚醒剤や麻薬ほど危険ではないと思い、好奇心から手を出す人が多いが、実際には強い有害性がある実態が浮かび上がった。

 興奮や幻覚など麻薬と似た作用がある脱法ドラッグは、毒性や依存性が確認されると、指定薬物や麻薬に指定されて法で規制される。規制を逃れるために、化学構造の一部を変える新種が次々と生まれ、いたちごっこが続いている。罰則も麻薬・覚醒剤より緩い。

 研究班は、精神科病床がある全国1609施設で、2012年9~10月に治療を受けた患者を調べた。1136施設が回答し、1年以内の薬物使用者(脱法ドラッグ126人、覚醒剤138人、睡眠薬・抗不安薬86人)を分析した。

<脱法ドラッグ>所持の前神奈川県議を薬事法違反で逮捕

<脱法ドラッグ>所持の前神奈川県議を薬事法違反で逮捕

毎日新聞 7月16日(水)20時56分配信


 脱法ドラッグを所持したとして、神奈川県警薬物銃器対策課と神奈川署などは16日、前県議、横山幸一容疑者(41)=横浜市鶴見区下末吉=を薬事法違反で逮捕した。県警によると、脱法ドラッグの所持については認めた上で、「たばこの先につけて吸っていた。指定薬物が検出されたことにびっくりしている」などと供述しているという。

 逮捕容疑は6月26日、借りている横浜市神奈川区青木町の短期賃貸マンションの一室で指定薬物「α-PHPP」の粉末(約0・3グラム)を所持していたなどとしている。

 県警によると、26日午前11時半ごろ、神奈川区のホテルにいた30代の女性から「知人が薬をやった」と110番があった。神奈川署員が駆けつけたところ、現場にいた横山容疑者が「脱法ドラッグを使った。マンションにまだある」と説明。マンションから見つかった十数種類の脱法ドラッグの鑑定で指定薬物の化学成分が検出されたため、県警が7月7日に逮捕状を取っていた。

 横山容疑者は県議会議長を務めた祖父の後を継いで自民党から2007年の県議選(横浜市鶴見区)に出馬して初当選。12年7月の県議会第2回定例会では、可決された「脱法ハーブ対策の推進強化を求める意見書」の提出議員に名を連ねていた。2期目の途中の6月30日、「一身上の都合」を理由に辞職願を提出し、8日の県議会で許可されていた。

 捜査関係者によると、横山容疑者は7月に入って東京都内の病院に入院したが、頻繁に出入りを繰り返していたため、勾留に耐えられると判断、逮捕に踏み切った。

2014年7月15日火曜日

陸自隊員を逮捕=覚せい剤使用容疑-群馬

陸自隊員を逮捕=覚せい剤使用容疑-群馬




陸上自衛隊の警務隊は26日、覚せい剤を使用したとして、覚せい剤取締法違反容疑で、相馬原駐屯地(群馬県榛東村)業務隊の2等陸曹金子章夫容疑者(45)を逮捕した。
 同駐屯地によると、16日に実施した金子容疑者の尿検査で、覚せい剤の陽性反応が出た。同容疑者は車両燃料の給油や管理を担当しており、勤務態度に問題はなかったという。(2014/06/26-22:24)





違法薬物「絶対ダメ!」=都内JR主要路線でアニメ-30日から放映・警視庁

違法薬物「絶対ダメ!」=都内JR主要路線でアニメ-30日から放映・警視庁



警視庁は、覚せい剤や脱法ドラッグなどの違法薬物の危険性や有害性を訴え、電話相談窓口などを紹介する広報用動画を作製した。今月30日~7月6日までJR山手線や中央線、京浜東北線など首都圏の主要8路線の車両内に設置されたモニターで放映される。
 薬物犯罪を取り締まる警視庁組織犯罪対策5課が作製した動画は、サンドアーティストの飯面雅子さんが手掛けた30秒間のアニメーション。友人の誘いを受け、興味本位で違法薬物に手を出した少年が深みにはまり、全てを失う過程が描かれている。(2014/06/27-04:14)





規制薬物に緊急指定=池袋暴走の脱法ドラッグ―厚労省

規制薬物に緊急指定=池袋暴走の脱法ドラッグ―厚労省

時事通信 7月15日(火)10時31分配信



 JR池袋駅(東京都豊島区)近くで起きた暴走車による8人死傷事件で、厚生労働省は15日、逮捕された男が使用した脱法ドラッグについて、薬事法で規制される「指定薬物」に緊急指定すると発表した。関係省令を25日に施行する。緊急性が高く、専門家による審議会を開く時間がない場合の例外的な手続きで、適用されるのは初めて。
 田村憲久厚労相は15日の閣議後会見で、「このような事件、被害を防止する観点から、緊急を要するということで指定した」と述べた。 



また脱法ハーブか 東京・新宿で3台絡む事故、男女4人負傷 車内から植物片

また脱法ハーブか 東京・新宿で3台絡む事故、男女4人負傷 車内から植物片

産経新聞 7月15日(火)11時19分配信




 15日午前5時25分ごろ、東京都新宿区高田馬場の交差点で、ワゴン車が信号待ちのタクシーに追突するなど計3台が絡む事故があった。ワゴン車の男は「脱法ハーブを吸った」などと供述、車内からポリ袋に入った脱法ハーブとみられる植物片が見つかったという。

 警視庁戸塚署は同日、この男を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕。同署は薬物の影響下で運転した危険運転致傷容疑でも調べる。

 同署によると、男は、千葉県野田市親野井、職業不詳、古橋一茂容疑者(25)。古橋容疑者のワゴン車がタクシーに追突し、さらに前方にいた乗用車にぶつかった。古橋容疑者を含めタクシーの運転手ら男女計4人が首を捻挫するなどの軽傷を負った。



2014年7月11日金曜日

脱法ドラッグ店、一斉立ち入り=暴走事件と同じ商品41点―都、警視庁

脱法ドラッグ店、一斉立ち入り=暴走事件と同じ商品41点―都、警視庁

時事通信 7月10日(木)18時43分配信




JR池袋駅(東京駅豊島区)近くで起きた暴走車による8人死傷事件などを受け、東京都と警視庁、関東信越厚生局麻薬取締部は10日、都内の脱法ドラッグ販売店とみられる68店舗に一斉立ち入り検査を実施した。脱法ハーブの影響とみられる事故が相次いだため、店側に商品の販売自粛を求め、違法薬物を含んだ商品の販売は取り締まりを強化すると警告した。
 池袋の暴走事件で逮捕された男が吸引した植物片と同じ脱法ハーブの商品は、7店舗から計41点の任意提出を受けた。他にも同じ商品を扱っている店があったが、任意提出に応じなかったという。
 都などによると、立ち入りは3機関計約160人の職員が20班に分かれ、薬事法と都の薬物乱用防止条例に基づき実施。68店舗のうち44店舗に立ち入り、使用者の意識をもうろうとさせるなど、危険性が高いとされる脱法ドラッグの販売自粛などを求めた。 




脱法ドラッグ店一斉検査 警視庁、対策本部を発足

脱法ドラッグ店一斉検査 警視庁、対策本部を発足

産経新聞 7月11日(金)7時55分配信





東京・池袋で発生した車の暴走事故など脱法ドラッグの影響とみられる事故が相次いだことを受け、東京都などは10日、都内で脱法ドラッグを販売する店舗に約100人態勢で一斉立ち入り検査を実施した。池袋の事故で押収されたものと同じとみられる薬物も11店舗で見つかり、店から任意提出を受けた都は今後、成分分析など鑑定を進める。

 都によると、厚生労働省や警視庁と連携した検査は初めて。対象は都が把握している68店舗だったが、この日は44店舗に立ち入った。健康に影響を及ぼす恐れのある商品については警告書で販売自粛を求めた。

 一方、警視庁は10日、脱法ドラッグ総合対策本部を発足させ、販売実態の把握や摘発の強化、鑑定の迅速化などに全庁的に取り組むことを確認した。都薬物乱用防止条例に基づく脱法ドラッグ店への立ち入りについて、都職員ら以外に警察官もできるように条例改正を働きかけていくという。




2014年7月7日月曜日

また脱法ハーブ車!?急発進→衝突→逆走!都内で3人負傷

また脱法ハーブ車!?急発進→衝突→逆走!都内で3人負傷

スポーツ報知 7月7日(月)7時4分配信




東京都北区岩淵町の交差点で5日深夜、乗用車がミニバイクやタクシーと相次ぎ衝突し、3人が負傷した。車から脱法ハーブが入っていたとみられる袋が見つかり、警視庁は、運転していた30代の男が吸引し、正常な運転ができない状態だった可能性があるとみている。赤羽署は、自動車運転処罰法の過失傷害の疑いで、自身も負傷した男の逮捕状を取った。脱法ハーブ吸引をめぐっては、6月24日に東京・池袋駅前で男が車を暴走させ、8人が死傷する事故が起きたばかりだった。

 また脱法ハーブの使用が疑われる事故が起きた。5日午後11時45分ごろ、東京メトロ南北線赤羽岩淵駅近くの国道122号と環状8号線の交差点で発生。赤羽署によると、乗用車が交差点の赤信号で停車中に突然発進し、前に止まっていたミニバイクに追突。さらに交差点に入ってタクシーと衝突、そのまま、反対車線を約200メートルにわたり逆走した。

 ミニバイクに乗っていた20代の男性とタクシーの60代の運転手は負傷したが、ともに軽傷とみられる。事故を起こした男も救急車で搬送された。

 110番通報した、現場近くに住む男性会社員(33)によると、大きな音がして外に出ると、エアバッグが出た状態で逆走してきたワゴンタイプの乗用車が目に飛び込んできたという。車はふらつきながら中央分離帯のガードレールに激突し、道路脇のポールをなぎ倒して止まった。

 「運転していた男は意識がもうろうとしていた様子で、ストレッチャーに乗せられる時には5、6人に押さえられながらも暴れていた。異様な雰囲気だったので、池袋で起きた事故のことがすぐに頭によぎった」という。

 また、近所の40代の主婦は「(男が)オーッという大声を出しているのが聞こえた。交通量が多い昼間だったら大惨事になっていたと思う」と顔をこわばらせた。

 赤羽署によると、車内からは脱法ハーブが入っていたとみられる袋のほか、吸引に使うパイプも見つかった。男は負傷した上に、病院で意識がはっきりしない状態で、同署は回復を待って自動車運転処罰法の過失傷害容疑で、逮捕する方針。また、袋を鑑定し、薬物の影響があったかどうかを調べ、危険運転致傷容疑の適用も検討する。



池袋暴走、精神鑑定を検討

池袋暴走、精神鑑定を検討

2014年7月7日13時42分  スポーツ報知

東京のJR池袋駅近くの繁華街で車が暴走し8人が死傷した事故で、東京地検が、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で送検された名倉佳司容疑者(37)=埼玉県吉川市=の精神鑑定を検討していることが7日、関係者への取材で分かった。脱法ハーブの影響について調べる目的とみられる。
 名倉容疑者は事故当時、「運転前にハーブを吸った」と供述し、警視庁が所持していた植物片を鑑定した結果、指定薬物の成分を含まない脱法ハーブだった。
 事故は6月24日午後8時前、豊島区西池袋1丁目の路上で発生した。名倉容疑者の車が歩道に突っ込み、はねられた中国人の林雪琴さん=当時(30)=が死亡し、男女7人が重軽傷を負った。



脱法ドラッグ撲滅訴え千人集会…池袋周辺を行進

脱法ドラッグ撲滅訴え千人集会…池袋周辺を行進

読売新聞 7月5日(土)19時56分配信



東京・池袋で「脱法ハーブを吸った」と供述した男の車が歩道に突っ込み、8人が死傷した事件を受け、現場近くの池袋駅前の広場で5日、違法ドラッグや脱法ドラッグの撲滅を訴える集会が開かれ、地元住民ら約1000人が集まった。

 集会には、薬物行政を担う田村厚生労働相も出席。「脱法薬物の撲滅の輪を日本中に広げてほしい」と述べた後、「海外で販売される薬物が国内に流入する前に調べて、網をかけていく」と規制強化に意欲を示した。

 死傷事件で逮捕された男が吸引したハーブは、薬事法の規制対象外だった。田村厚労相は「脱法ドラッグでも、人体に影響があるものを吸引目的で売るのは立派な違反。こういうアプローチから対応できる」と話し、警察と連携して販売業者を取り締まる考えも明らかにした。

 この後、参加者らは、横断幕やプラカードを掲げて池袋駅周辺を歩き、脱法ドラッグの撲滅を呼びかけた。



2014年7月3日木曜日

脱法ドラッグ、40万人使用か 厚労省研究班が推計

脱法ドラッグ、40万人使用か 厚労省研究班が推計

朝日新聞デジタル 7月3日(木)0時0分配信



幻覚や興奮など麻薬と似た作用がある「脱法ドラッグ」を使ったことがある人が全国で約40万人に上ると、厚生労働省研究班が初の全国調査で推計した。使ったことがあると答えた人の平均年齢は33・8歳で、ほかの違法薬物と比べて最も若かった。脱法ドラッグの乱用が若者に広がっている状況がうかがえる。

 調査は、昨年10月に全国の15~64歳の男女5千人を無作為に選び、59%から有効回答を得た。

 脱法ドラッグを使ったことがあると答えた人は全体の0・4%(250人に1人に相当)で、全国で約39万9800人に上ると推計した。シンナー(1・9%)、大麻(1・1%)、覚醒剤(0・5%)に次いだ。これらの違法薬物を使ったことがあると答えたのは、2・5%(40人に1人に相当)を占めた。

 脱法ドラッグを使ったことがある人の平均年齢は33・8歳。シンナー(43・8歳)、大麻(40・7歳)、覚醒剤(40・1歳)などに比べて最も若かった。





2014年7月2日水曜日

<池袋暴走>直前吸引の脱法ハーブに薬事法規制成分含まれず

<池袋暴走>直前吸引の脱法ハーブに薬事法規制成分含まれず

毎日新聞 7月2日(水)13時1分配信



◇押収した「ハーブ詰めたたばこの吸い殻2本」を鑑定

 JR池袋駅(東京都豊島区)近くで乗用車が歩道を暴走し、男女8人が死傷した事件で、逮捕された飲食店経営、名倉佳司(なぐら・けいじ)容疑者(37)=埼玉県吉川市=が事件直前に吸った脱法ハーブに、薬事法で指定薬物として規制されている成分が含まれていなかったことが警視庁交通捜査課への取材で分かった。車内からハーブを詰めたたばこの吸い殻2本が押収され、同課が鑑定を進めていた。


交通捜査課は、酒や薬物の影響で正常な運転が困難だった場合に適用する自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で名倉容疑者を送検しており、「捜査に支障はない」としている。だが、指定薬物から成分構造の一部を変えた脱法ハーブが出回り規制が追いつかないと指摘されており、改めて対応の難しさが浮き彫りになった。

 また、名倉容疑者が事件直前に脱法ハーブを購入した現場近くのハーブ店が今年3月、指定薬物を含んだ違法ドラッグを販売したとして、都から販売中止を指示されていたことも分かった。昨年11月、検査目的で購入した商品に指定薬物が含まれていた。【林奈緒美】