危険ドラッグ:規制条例可決へ 鳥取県議会、全国初
毎日新聞 2014年10月13日 20時12分
鳥取県議会は14日、危険ドラッグなど興奮や幻覚などをもたらす薬物全般の製造、販売、使用などを禁止する薬物乱用防止条例改正案を可決する。厚生労働省によると、健康被害をもたらす薬物全般をここまで包括的に禁止する条例は全国初。ただ、規制対象が曖昧との批判もあり、慎重な運用を求める付帯意見も可決する。
改正条例は、薬事法や知事指定による危険ドラッグに該当するかどうかを調べる間に対応が遅れることを避けるため県が提案。成分を特定できていなくても、健康被害をもたらす薬物を「危険薬物」と幅広く捉える。実際の運用としては、禁止行為が明らかになった場合、通常は警告、命令の手続きを経て摘発する。罰則は最高で2年以下の懲役か100万円以下の罰金。
また、名前や形状から疑わしいものを「知事指定候補薬物」とし、販売、購入の両者に届け出を義務付け、流通を抑制。違反が明らかになった際には立ち入り検査できる。11月中旬から施行する予定。酒やたばこ、医薬品などは除外している。
議会審議では規制対象が曖昧な点について自民党県議から懸念の声が上がり、「厳格かつ慎重な運用に努められたい」との付帯意見を提出した。また「自治体ごとに刑と罰が異なることは法的安定性にもとる」として国に法整備を求める意見書も可決する。
県医療指導課の担当者は「県内には危険ドラッグの販売店がなく、条例改正で流入の抑止が期待できる」としている。【高嶋将之】
◇8都府県で規制
法律の規制が掛かる危険ドラッグの指定と新たなドラッグの誕生といういたちごっこが続く中、独自にこうした薬物を規制する条例を制定(改正含む)する自治体が相次いでいる。毎日新聞の9日現在のまとめでは、鳥取を除いて8都府県で制定されており、少なくとも10府県が制定する方針だ。
6日に条例を制定した兵庫県は鳥取県と同様、成分を特定しないで、危険ドラッグに指定されていない薬物について販売店などを規制できる。京都府も、成分を特定せず販売店と購入者に譲り受け書類の提出や保存の義務付けなどを盛り込むことを検討している。
静岡県は事件や事故などで使用された薬物の販売停止や回収を緊急的に命じる勧告を盛り込む考えで、中学校や高校、大学などの周囲200メートル内で販売店開設を禁じることも検討している。
0 件のコメント:
コメントを投稿