2014年7月31日木曜日

<危険ドラッグ>11年以降40人死亡 今年急増24人も

<危険ドラッグ>11年以降40人死亡 今年急増24人も

毎日新聞 7月31日(木)8時0分配信




危険ドラッグを吸引した直後の事件事故が相次いでいる問題で、2011年以降の約3年半に危険ドラッグの吸引などが原因で死亡したとみられる人が少なくとも7都府県の40人に上ることが毎日新聞の調査で分かった。危険ドラッグを巡る死者の実態が明らかになるのは初めて。今年だけで24人が死亡したことも判明し、規制の強化でも乱用に歯止めがかからない現状が改めて浮かんだ。


 調査は、全国の警察本部などを対象に実施。関係当局が統計を取り始めた11年から今年6月末までで、危険ドラッグの使用が原因で死亡した疑いがある人の数▽危険ドラッグの使用が疑われる救急搬送者数--などを尋ねた。

 それによると、死者が確認されたのは、東京▽神奈川▽静岡▽愛知▽大阪▽広島▽山口の7都府県。11年は0人、12年と13年はそれぞれ3県で8人ずつだったが、14年は半年間(大阪のみ7月21日まで)で1都1府4県で24人と一気に急増した。「統計を取っていない」などの理由で16の警察本部が回答しておらず、実際の数字はさらに増えるとみられる。

 国は今年1月、違法と定める「指定薬物」の範囲を拡大。4月には製造や販売などに限らず、所持や使用を禁じた改正薬事法も施行したが、使用の広がりを反映し、死者数が増えているとみられる。

 死者数が最多だった大阪では吸引後の死亡例が相次いだことで府警が今年から調査を始め、7月までに14人の死亡が判明した。4月に大阪市北区のホテルで30代の男性会社員が吐いたものをのどに詰まらせて死亡したケースでは、室内から液体状の危険ドラッグが見つかった。

 次いで多かった神奈川では、12年に6人▽13年5人▽14年2人--の計13人が死亡していた。13年5月に厚木市内の自宅ベッドで死んでいるのが見つかった40代の男性の場合、枕元に吸引パイプと植物片があったほか、室内には他にも危険ドラッグとみられる粉末が見つかり、常習が疑われる状況だったという。

 また、名古屋市では今年6月に吸引直後とみられる20代の女性が死亡していたほか、山口県でも今年に入って30代の男性2人が死亡していた。

 一方、救急搬送者(搬送されずに健康被害を訴えた人も含む)は、全国で少なくとも1415人が確認された。内訳は、11年が115人▽12年599人▽13年490人▽14年211人--だった。やはり約半数の警察本部などが回答していないため、実際はこれを大きく上回るとみられる。

 薬物依存症の専門病院である埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也副病院長によると、危険ドラッグを吸引した結果、筋肉の細胞が壊れる「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」を起こし、腎不全や多臓器不全などで死亡する可能性がある。血圧や心拍数が急上昇するなど心臓への負担も大きく、米国では若者が心筋梗塞(こうそく)を起こした事例も報告されているという。

 国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦・診断治療開発研究室長は「死者数を把握したことはなく、非常に多いという印象だ。体の硬直やけいれん発作など危険ドラッグによる症状は今年に入り特にひどい。ドラッグの作り手と乱用者が求めるのは『脱法』であることだけで、その物質で何が起きるか誰にも分からない危険な状況だ」と指摘する。




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