世界遺産の隣で薬物「レイブ」の破茶滅茶“仰天” 住民は怒り心頭
群馬県下仁田町の山中で行われた「レイブ」と呼ばれる野外音楽パーティーで大量の男女が大麻やコカイン、MDMAなどの薬物を使用、夜通し大音量の騒ぎを繰り広げた末に薬物所持の疑いで逮捕された。群馬県警の捜査で逮捕者は25人まで増え参加59人(2人の幼児含む)の半数近くにのぼった。東京や神奈川など首都圏からの参加者が大半で群馬県民はゼロ。現場は世界遺産に登録された「富岡製糸場」の構成資産「荒船風穴」から直線距離で4キロ、車で15分足らず。世界遺産でPRしたい矢先の騒動に地元は「はた迷惑も甚だしい」とカンカンだ。(大橋拓史)
■山の反対側まで爆音
現場は下仁田町南野牧の山中。「レイブ」は9月13日午後4時から始まり、15日の午後2時までの予定だった。県警が令状を手に踏み込んだのは開始から36時間以上たった15日午前5時20分ごろ。逮捕された参加者らは既に大麻やコカインなどで“陶酔”状態になりながら、踊り疲れてはテントで休み、また踊る-を繰り返していた。
会場の空き地は約1000平方メートルの私有地で、棚田のように2段になっていて参加者らは下の段に車を止め寝起き用テントを張り、上の段にDJブースや食べ物用の売店を設営。中央の広場が“ダンスフロア”になっていた。
周囲に民家はなく、地元の40代男性は「目の前の公園にトイレがあり水も調達できる。大音量を出しても近くに人家はないので、参加者には、ちょうどいい場所だったのでは」と苦々しげに話す。それでも山の反対側に張り込んだ県警捜査員に聞こえるほどの爆音が鳴り響いていたという。
■DJデビュー
主催者の東京都西東京市の電気工事士、遠山健太郎被告(37)=麻薬および向精神薬取締法違反の罪で起訴=はフェイスブック(FB)で参加者を募り、FB上に招待者だけのグループを作り情報を共有していたとみられる。県警組織犯罪対策2課は「友人が友人を招待する形でできたのではないか」とみている。
参加者は招待者グループの先着順で決まり、会費は1人6千円。遠山被告は今回のレイブを「DJデビュー」と位置づけ、会場には複数のDJがいたという。
捜査関係者は「6千円は儲けようという額ではない」とし、「たまたま集まった参加者の半分が薬物を自前で用意していたのかは疑問。遠山被告のデビュー祝いに薬物を持参した者もいた」と話す。逮捕されたのは21歳から41歳までの男女25人(女9人)で、大半が東京や神奈川、千葉など首都圏からの参加だった。
捜査の端緒は今年5月。ゴールデンウイーク中に今回と同じ場所でレイブが開催され、近隣住民から「怪しい者がいる」と通報があった。遠山被告も参加していたという。
レイブは1980年代に英国で始まったとされるダンス音楽などを一晩中流す大規模な野外音楽イベントとされ、当初から薬物使用などで治安当局に危険視されてきた。国内でも薬物との関連で問題視されるようになり、群馬県では平成20年、県北部みなかみ町で「フルムーンパーティー」と称するレイブで薬物使用者8人を摘発。嬬恋村でも同年、「ギャザリング」という名で開催され摘発者3人を出した。今回は6年ぶりだが、25人もの大量逮捕者は例がない。山梨県鳴沢村でも21年、複数の逮捕者を出したが、ここ2、3年は逮捕事例はないという。
■地元の怒り
会場となった下仁田町の住民からは怒りの声が上がった。同町南野牧の60代女性は「こんな田舎でそんなパーティーをやっているとは。悪い話で下仁田が有名になるのはとても残念。しかも群馬の人はいないなんて」と憤りを隠さない。
レイブが始まった9月13日には、同町吉崎の「ほたる山公園」で別の野外音楽イベント「バイブレーションテーブル」も行われ、一部町民にレイブと混同される被害も。こちらは子供から大人まで楽しめるイベントで町も後援、地域振興策として地元有志らが企画運営し3500人を動員していた。レイブとは何の関係もないのに、参加した若者が事件を起こしたとの誤解まで広まったという。
企画運営した田村純一代表(40)は「同じ日に2つも野外フェスがあったなんて。イベント名も同じ横文字なので混同したのだと思うが、こっちは町を盛り上げようと毎年必死でやっている。迷惑きわまりない話。誤解を解くためにも来年も必ずやる」と怒りを抑えきれない様子だった。
■レイブ 人里離れた場所で大音量でダンスミュージックを流し、参加者は音楽に合わせ一晩中踊り続ける野外音楽イベントの一種。クラブなどで流される「トランス」と呼ばれる音楽が流されることが多く、国内でも近年は参加者の薬物使用が問題視されている。英語のrave upは「どんちゃん騒ぎ」。ウィキペディアによると、レイブの語源は、ロンドンのジャマイカ系移民の俗語で「自分に嘘をついて無理矢理盛り上がる会合」。
■山の反対側まで爆音
現場は下仁田町南野牧の山中。「レイブ」は9月13日午後4時から始まり、15日の午後2時までの予定だった。県警が令状を手に踏み込んだのは開始から36時間以上たった15日午前5時20分ごろ。逮捕された参加者らは既に大麻やコカインなどで“陶酔”状態になりながら、踊り疲れてはテントで休み、また踊る-を繰り返していた。
会場の空き地は約1000平方メートルの私有地で、棚田のように2段になっていて参加者らは下の段に車を止め寝起き用テントを張り、上の段にDJブースや食べ物用の売店を設営。中央の広場が“ダンスフロア”になっていた。
周囲に民家はなく、地元の40代男性は「目の前の公園にトイレがあり水も調達できる。大音量を出しても近くに人家はないので、参加者には、ちょうどいい場所だったのでは」と苦々しげに話す。それでも山の反対側に張り込んだ県警捜査員に聞こえるほどの爆音が鳴り響いていたという。
■DJデビュー
主催者の東京都西東京市の電気工事士、遠山健太郎被告(37)=麻薬および向精神薬取締法違反の罪で起訴=はフェイスブック(FB)で参加者を募り、FB上に招待者だけのグループを作り情報を共有していたとみられる。県警組織犯罪対策2課は「友人が友人を招待する形でできたのではないか」とみている。
参加者は招待者グループの先着順で決まり、会費は1人6千円。遠山被告は今回のレイブを「DJデビュー」と位置づけ、会場には複数のDJがいたという。
捜査関係者は「6千円は儲けようという額ではない」とし、「たまたま集まった参加者の半分が薬物を自前で用意していたのかは疑問。遠山被告のデビュー祝いに薬物を持参した者もいた」と話す。逮捕されたのは21歳から41歳までの男女25人(女9人)で、大半が東京や神奈川、千葉など首都圏からの参加だった。
捜査の端緒は今年5月。ゴールデンウイーク中に今回と同じ場所でレイブが開催され、近隣住民から「怪しい者がいる」と通報があった。遠山被告も参加していたという。
レイブは1980年代に英国で始まったとされるダンス音楽などを一晩中流す大規模な野外音楽イベントとされ、当初から薬物使用などで治安当局に危険視されてきた。国内でも薬物との関連で問題視されるようになり、群馬県では平成20年、県北部みなかみ町で「フルムーンパーティー」と称するレイブで薬物使用者8人を摘発。嬬恋村でも同年、「ギャザリング」という名で開催され摘発者3人を出した。今回は6年ぶりだが、25人もの大量逮捕者は例がない。山梨県鳴沢村でも21年、複数の逮捕者を出したが、ここ2、3年は逮捕事例はないという。
■地元の怒り
会場となった下仁田町の住民からは怒りの声が上がった。同町南野牧の60代女性は「こんな田舎でそんなパーティーをやっているとは。悪い話で下仁田が有名になるのはとても残念。しかも群馬の人はいないなんて」と憤りを隠さない。
レイブが始まった9月13日には、同町吉崎の「ほたる山公園」で別の野外音楽イベント「バイブレーションテーブル」も行われ、一部町民にレイブと混同される被害も。こちらは子供から大人まで楽しめるイベントで町も後援、地域振興策として地元有志らが企画運営し3500人を動員していた。レイブとは何の関係もないのに、参加した若者が事件を起こしたとの誤解まで広まったという。
企画運営した田村純一代表(40)は「同じ日に2つも野外フェスがあったなんて。イベント名も同じ横文字なので混同したのだと思うが、こっちは町を盛り上げようと毎年必死でやっている。迷惑きわまりない話。誤解を解くためにも来年も必ずやる」と怒りを抑えきれない様子だった。
■レイブ 人里離れた場所で大音量でダンスミュージックを流し、参加者は音楽に合わせ一晩中踊り続ける野外音楽イベントの一種。クラブなどで流される「トランス」と呼ばれる音楽が流されることが多く、国内でも近年は参加者の薬物使用が問題視されている。英語のrave upは「どんちゃん騒ぎ」。ウィキペディアによると、レイブの語源は、ロンドンのジャマイカ系移民の俗語で「自分に嘘をついて無理矢理盛り上がる会合」。
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