有名人摘発も相次ぎ…今年上半期の覚醒剤 大幅増の約780キロを押収 年間では過去2番目か
産経新聞 9月8日(木)18時57分配信
今年上半期(1~6月)に全国の警察が押収した覚醒剤は約786キロ(末端価格約550億円)に上り前年同期比で約656・6キロの大幅増となったことが8日、警察庁のまとめで分かった。年間では1トンを超えるペースで覚醒剤の蔓(まん)延(えん)が危惧され、警察当局は取り締りを強化する。
警察庁によると、平成27年上半期の押収量は約129・4キロだったため、今年上半期は507・4%増となった。統計の残る昭和31年以降の年間での押収量の過去最多は平成11年の約2トンで次いで12年の約1トン、25年の約830キロ。今年7月に警視庁が約154キロを押収しているため、今年はすでに1トン近くとなり過去2番目となる見通し。
押収量の急増は、沖縄県警などが今年5月、約597キロを押収するなど大量摘発があったため。沖縄県警の押収量は11年の福岡県警の約564キロを超えて1回の摘発としては過去最多。
■第4次乱用期を危惧
警察当局による今年の覚醒剤の押収量が1トン近くに上る見込みとなり、国内で覚醒剤が大量に流通していることがうかがえる。需要に対して供給過多の状態が続いているとみられ、末端価格は下落したまま。プロ野球の清原和博元選手らが逮捕されるなど有名人の摘発も相次いでおり、覚醒剤乱用期に入っていることが懸念される。
警察庁によると、近年の年間の覚醒剤の押収量は平成25年に約830キロだったほかは300~400キロ台で推移。押収量の増減にもかかわらず、覚醒剤1グラムの末端価格は21年の9万円から22~23年は8万円に、24年以降は7万円に下落したまま。現状について、警察庁幹部は「(低価格は)供給過多の状態がうかがえる」と分析している。
覚醒剤は戦後の混乱期や昭和後期、平成9年ごろと3次にわたって乱用期があり警察が摘発を進めてきた経緯がある。最近になり再び流通量が増加し第4次乱用期が懸念され、国家公安委員会の松本純委員長は8日の定例会見で、「末端乱用者の取り締まりや密輸の摘発を進めたい」と対策強化の考えを示した。
今年上半期の覚醒剤事件で摘発された者のうち、暴力団構成員などの割合は約48%。年間の統計では23~27年の過去5年間では5割以上を占め、密売には暴力団の関与が大きい。
覚醒剤はほぼ全量が海外からの密輸で、暴力団関係者らの仕入れ値は1キロ当たり800~900万円とされ、末端価格7万円で1キロを全て売りさばけば売り上げは7千万円となり、莫(ばく)大(だい)な利益となる。
暴力団幹部は「覚醒剤は確実なシノギ(資金源)」と明かすが、最近は買い手市場のため「安く買いたたかれる」と話す。
今年2月には清原元選手が逮捕されるなど、タレントや元俳優ら有名人の摘発も相次いだが、暴力団幹部は、「有名人は発覚を恐れ密売人とコネができればそこだけと取引する。値引き交渉などはしない。逆に高額を提示しても、言い値で買い取ってくれる上客。有名人を何人か客として持っていれば安定する」と明かしている。
押収量の急増は、沖縄県警などが今年5月、約597キロを押収するなど大量摘発があったため。沖縄県警の押収量は11年の福岡県警の約564キロを超えて1回の摘発としては過去最多。
■第4次乱用期を危惧
警察当局による今年の覚醒剤の押収量が1トン近くに上る見込みとなり、国内で覚醒剤が大量に流通していることがうかがえる。需要に対して供給過多の状態が続いているとみられ、末端価格は下落したまま。プロ野球の清原和博元選手らが逮捕されるなど有名人の摘発も相次いでおり、覚醒剤乱用期に入っていることが懸念される。
警察庁によると、近年の年間の覚醒剤の押収量は平成25年に約830キロだったほかは300~400キロ台で推移。押収量の増減にもかかわらず、覚醒剤1グラムの末端価格は21年の9万円から22~23年は8万円に、24年以降は7万円に下落したまま。現状について、警察庁幹部は「(低価格は)供給過多の状態がうかがえる」と分析している。
覚醒剤は戦後の混乱期や昭和後期、平成9年ごろと3次にわたって乱用期があり警察が摘発を進めてきた経緯がある。最近になり再び流通量が増加し第4次乱用期が懸念され、国家公安委員会の松本純委員長は8日の定例会見で、「末端乱用者の取り締まりや密輸の摘発を進めたい」と対策強化の考えを示した。
今年上半期の覚醒剤事件で摘発された者のうち、暴力団構成員などの割合は約48%。年間の統計では23~27年の過去5年間では5割以上を占め、密売には暴力団の関与が大きい。
覚醒剤はほぼ全量が海外からの密輸で、暴力団関係者らの仕入れ値は1キロ当たり800~900万円とされ、末端価格7万円で1キロを全て売りさばけば売り上げは7千万円となり、莫(ばく)大(だい)な利益となる。
暴力団幹部は「覚醒剤は確実なシノギ(資金源)」と明かすが、最近は買い手市場のため「安く買いたたかれる」と話す。
今年2月には清原元選手が逮捕されるなど、タレントや元俳優ら有名人の摘発も相次いだが、暴力団幹部は、「有名人は発覚を恐れ密売人とコネができればそこだけと取引する。値引き交渉などはしない。逆に高額を提示しても、言い値で買い取ってくれる上客。有名人を何人か客として持っていれば安定する」と明かしている。
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